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おつきさまのうた
豊島与志雄童話集
豊島 与志雄
豊島与志雄『豊島与志雄童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:お月様の唄、お山の爺さん、影法師、キンショキショキ、金の目銀の目、銀の笛と金の毛皮、コーカサスの禿鷹、正覚坊、狸のお祭り、手品師、天下一の馬、天狗の鼻、泥坊、天狗笑、長彦と丸彦、ひでり狐、不思議な帽子、彗星の話、街の少年、山の別荘の少年、夢の卵、雷神の珠。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,569 字 · 336 页
そして村の家の前で踊ってみせました。がこんどは、風呂敷から野菜の切端を取り出して、それをくれと言うようなんです。村の人達は前日の噂でもうよく心得ていますので、大根だのごぼうだの芋だのいろんな野菜をやりました。猿はそういうものを風呂敷いっぱいもらいためると、また一散にどこへともなく逃げ失せてしまいました。
さあ村中の噂はますます高くなりました。けれどやはりどういう猿だか知ってる者はありませんでした。
すると、猿をちらと見たという村の老人の一人が、こんなことを言い出しました。
「あれは猿爺さんの猿じゃないかな」
それを聞いて、他の老人達も言いました。
「なるほど、猿爺さんの猿にちがいない」
そこで、あの猿は猿爺さんの猿だろうということになりましたが、村の若い人達は、その猿爺さんのことをあまりよくは知りませんでした。で老人達はくわしく話してきかせました。
猿爺さんというのは、五年に一度くらいずつ村に廻ってくる、田舎廻りの猿使いの爺さんでした。長い髪の毛も胸に垂れてる髭も、昔からまっ白であって、日に焼けた額には深い皺がよっていて、幾つになるのか年齢のほどもわかりませんでしたが、方々の国で様々なものを見てきて、人の知らない不思議なことを知っている、妙な人だそうでした。