轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ぐんようそ

軍用鼠

海野 十三

「新青年」博文館、1937(昭和12)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,659 字 · 37 页

青空文庫

本当に夜はまだくろぐろと安定しているのであろうな。カーテンを開いて窓の外を覗いてみよう。うむ今のところ、まだ大丈夫である)

若き二人の抱き合っている傍には、大きな柘榴の樹があって、枝にはたわわに赤い実がなっている。その間を早や起きの蜂雀の群がチュッチュッと飛び戯れている。まるで更紗の図柄のように。

お城では妖婆アダムウイッチが、床の上に仆れたまま、まだグウグウ睡っている。電気時計の指針は、もう午前六時を指している――また禁句禁句――のに、彼は目が覚めない。受信機のスイッチをひねって置けば、この辺でラジオ体操が始まり、江木アナウンサーのおじさんが銅羅声をはりあげて起してくれるのだが――彼、梅野十伍はいつもそうしている。但し床から離れるのは彼ではなくて、小学校にゆく彼の子供である。彼はラジオ体操を聴けば安心して、更にグウグウ睡れるのである。――生憎妖婆は前の晩に深酒をして、寝るときにスイッチをひねっておくことを忘れたので、ラジオ体操が放送されていても彼の妖婆には聞えなかった。そんなわけでとうとう妖婆は午前六時に唱うべき天帝に約束の三度の呪文をあげないでしまう。