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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

社会科学によれば、歴史的社会の基礎であり従ってまた社会の歴史的発展の終局的な動力を含むものは社会の物質的な生産関係である。これは社会に於ける物質的生産力が一定社会に於て受け取る形式であって、普通経済機構と呼ばれるものに相当する。社会のこの現実的地盤の上に、社会のこの下部構造の上に、上部構造としてイデオロギー=観念形態が成立するのである(法律・政治・道徳・科学・哲学・芸術)。下部構造は上部構造との間に交互作用を営んで互いに規定し合うに拘らず、終局に於て下部構造が上部構造を規定する。以上は社会の静的構造であるが、この同じ社会構造が又社会の動的展開を惹き起す。物質的生産力は終局に於て個人乃至人間の意志とは独立に客観的に発達して行く必然性を有っているが、その発達の結果、この生産力が旧来の生産関係と矛盾に陥る。かくて社会の生産関係は生産力の発展の形態から、その桎梏へと逆転する。生産力の発展はこの桎梏を打開して新しい生産関係を自分に適した形式として造り出す。かくて社会の基礎構造は、矛盾と矛盾の克服との機構によって、必然的に変革される。これに従って、上部構造も亦変革されざるを得なくなる。