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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

二 諸分科科学の関係

)今日の所謂自然科学が対象とする自然なるものがどういう領域のものを指すかは、寧ろ常識的に知れ亘っている。吾々はかかる所謂自然を頭の中心に置いて、この自然に関する多義な諸観念を整理することが出来る。つまり吾々人間の存在とその意識の成立とに関係なく運動する世界が広く自然なのである。その意味に於てこの自然は哲学的範疇としての物質と呼ばれてよいものである。――自然科学とは、であるから第一義的に物質と呼ばれるもの(第二義的以下に物質と呼ばれるものは沢山あるが)を研究対象とする科学である。

二 諸分科科学の関係 自然科学はその研究の対象である自然の種類に従って、即ち自然の夫々の発展段階に従って、分類される。第一に有機体を除く限りの無機界を考えることが出来る。(但しここでいう無機界とは所謂無機物の世界のことではなくて有機物質もそれが有機体の組織から離れてある限り無機界にぞくする。)有機界と無機界との区別は、自然科学が進歩するに従って段々不分明になって行くだろうと考える人が或いはあるかも知れない。併し実はそうではないので、之は例えばかつて有機物質と考えられていた尿素が無機物から無機的に製造されるようになった、というような場合と問題は根本的に異っている。