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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

だが今日一般の世間では、自然科学のこの「文学的」な社会規定が自然科学自身の本質の一つに属することを、必ずしも意識はしていない。

五 結論 さて第三に自然科学が一つの社会意識・イデオロギーとして有つ特色を明らかにして結論に代えよう。問題は自然科学の階級性乃至党派性に集中するのである。元来階級性がより一層限定されたものが党派性であるのだが、用語例から云えば両者の間には多少場合の相違がある。階級性とは主として社会階級人の主観に基く主観的規定を指すのを常とし、之に反して党派性の方はより一層理論の客観的な論理的潔癖と首尾一貫性とを指すのを常とする。だが党派性も亦一つの主観性(但し客観性を有った処の)であることは云うまでもないと同様、理論乃至科学の階級性も亦一つの論理的規定であることを見失ってはならぬ。

理論乃至科学の階級性(乃至党派性)は、普通理論乃至科学の比較的外部的な規定でしかないと考えられ易い。理論乃至科学が歴史的社会に於て、云わば偶然に外から受け取る現象形態に於てのみ、その階級性が認められるので、理論乃至科学の本質そのものには階級性はない。従ってプロレタリア科学とかブルジョア科学とかいう言葉は本来無意味なのだ、と往々云われている。