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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

なぜなら純論理的に、即ち概念そのものの解釈だけから云えば、合の内には常に正と反とがそのまま這入っているのであり、従ってそうである以上、何と云っても正と反とは調和ある妥協を保っているに相違ないからである。

ヘーゲルの弁証法的論理は、だからまだ純然たる弁証法ではない。そして先に、論理学が弁証法的である必要があった以上、この観念的弁証法は論理学として決して充分ではあり得ない。解釈の弁証法、独立の主体に化した概念それ自体の弁証法の代りに、必然的に要求されるものは、現実の弁証法、事物を現実に把握する限りの概念の、弁証法でなくてはならぬ。かかる弁証法的論理は、マルクス及びエンゲルスによって徹底された処の、唯物論的弁証法なのである。

唯物弁証法的論理は、単にヘーゲルの弁証法を観念論的な夾雑物から純化したに過ぎないと云ってもいいかも知れない。だが結果に於てはヘーゲルの論理組織を根本的に逆転させることになる。ヘーゲルでは夫は所謂汎論理主義となって現われた。併しマルクス・エンゲルスでは、概念の独立主体化、即ち論理学の絶対的独立化は、許されない。所謂論理学は、だからここで実在そのものとの限界に逢着せねばならず、又その逢着の必然性を豫め論理学自身の機構の内に蔵し自覚していなければならぬ。