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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
存在は相互に闘争することによって初めて生成するのであり(「闘争は万物の父」)、従って存在は変化、運動をその性格とする。存在するということは生成、変化、運動することに外ならない。存在は運動するものであって固定したものではない。人々はこの点から、ヘラクレイトスを弁証法の祖と呼んでいる。彼の弁証法はゼノンの夫とは異って存在自身の内に位置する所の客観的な弁証法である。云うならばゼノンのは思惟の弁証法であり、ヘラクレイトスのは存在の弁証法である。この二種類の弁証法は存在に対する二種類の態度から結果したのであり、後々の諸弁証法の二つの典型の源をなすものである。
経験的知識の客観性を疑った点でエレアのゼノンと同じ態度を取ったソフィスト達は、ヘラクレイトスが存在に与えた矛盾性をば思惟に付与して相対主義を取り(「人間は万物の尺度」)、之を主張するために詭弁を用いて論敵を破った。この弁論術を自ら弁証法と名づけたのである。プロタゴラス(Pr※(サーカムフレックスアクセント付きO小文字)tagoras)に対立して彼自身恐らく最大のソフィストであった所のソクラテス(S※(サーカムフレックスアクセント付きO小文字)krat※(サーカムフレックスアクセント付きE小文字)s)は併し、却って真理の絶対性の信念の下に、世人の持つ誤った独断