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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

これに対立する世界観は、理想主義と呼ばれている。そこでは現実―存在・実在―よりも先に、之を支配している、又は支配すべき理想が、原理であり又なければならぬと考えられる。世界観上に於けるこの理想主義が、存在論上に於ける唯心論と等価物であることは明らかである。

吾々は、かりに哲学一般の構造を三つの段階に分けることが出来よう。第一に最初に来るものは世界観、第二に存在論、第三に最後の認識論(乃至論理学)。そこでこの三段階に相応して、唯物論は夫々、現実主義・唯物論・実在論となる。之に反して唯心論は、理想主義・唯心論・観念論の一列の系統をなすと云うのである。

(多くの哲学者は吾々が先から「存在論」と云って来た箇所に、「形而上学」という言葉を入れ換える。併し吾々は形而上学という言葉を、も少し外の連関に於て用いる必要があるので、特に存在論という言葉を選んだ)。

欧州の哲学――そしてそれが今日の吾々の哲学である――に於て、唯心論(以下特に断らない限り観念論、理想主義を含む)が最初に最も意識的となって前面に現われたのは、ソクラテス(S※(サーカムフレックスアクセント付きO小文字)krat※(サーカムフレックスアクセント付きE小文字)s)に於てであった。