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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
彼は同誌に拠って社会主義者と無政府主義者とが必ずしも相容れないものではないと説き、ために一部の社会主義者の反対を買った。併し、元来彼の哲学によれば、「ただ適度の区別だけが二つのものの矛盾対立を解くことが出来る」、絶対的な本質的な区別は形而上学に陥るものであった。無政府主義を社会主義から絶対的に区別して、之を単に排撃するのは正しい政策ではない。なる程無政府主義を終局目的とするのは愚の至りであるが、併し之が社会主義の前段階として価値を有つことを忘れてはならぬ。無政府主義の背後に之を超えて、社会の共産主義的秩序を欲する者こそ真正のラディカリストである、この場合自分が無政府主義者であるか社会主義者であるか又共産主義者であるかは、単に言葉の綾に過ぎない。そう彼は云っている。
政治的活動家としてのディーツゲンはアメリカの社会党のためには忘れることの出来ない恩人であるが、学徒としての彼が弁証法を高調した点で哲学の領域に於ける功績が大であったことは前述の通りである。併しそればかりではなく、彼は経済学の領域に於ても之に劣らぬ学的功労を有っている。彼の烱眼は夙に近代資本主義的生産方法の帰趨を洞察していたのであり、アメリカを目してブルジョア社会の「未来の土地」