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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
吾々は実践の尤なるものとして、産業や政治を数えることが出来る。
では物質は物質以外の存在、意識(観念・精神)にどう関係するか。精神物理学的乃至心理学的な概念としての個人の意識は、物理学的物質の極めて高次の質的飛躍として之を理解する外はない。無論併しそれは、従来の唯物論に於てのように、物質の機械的作用として、又は物質からの機械的延長として、説明されることは出来ない。弁証法的唯物論に於ける物質と意識との関係は併し所謂イデオロギー理論に於て最もその特徴を明らかにする。イデオロギーの理論によれば、意識が存在を決定するのではなくて、人間の社会的存在が意識を決定するのである。意識は、物質的生産力から結果する物質的生産関係を基礎構造として、その形態が決定される。意識はそのような上部構造―イデオロギー―だと云うのである。物質生活から精神生活迄の一切の人間の生活を包括する歴史は、終局に於て、物質的なるもの――それが物質的生産力乃至生産関係という普通経済的と呼ばれるものである――を原因として説明される。唯物論はこの場合、唯物史観として登場する。唯物史観は広汎な弁証法的唯物論の特殊な部分的な場合に外ならない。