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じてん
辞典
戸坂 潤
「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页
イデオロギーという語の意味がもつ真理意識と虚偽意識とのこの対立は、云うまでもなく社会階級上の対立を意味する。イデオロギーは従ってこの際、思想・観念・意識・真理、其他の社会的な階級性質を意味するわけで、今日文学や科学に就てイデオロギー性と云われているものは、この階級的性質乃至階級政治的特色を指す。
【イデオロギーと教育】 前述の最後の意味に於けるイデオロギーが教育に於て占める役割は絶大である。教育が一定の階級乃至国家、或は階級的社会の支配の下に行われる時は、その標榜する教育理想や教育方針の如何に拘らず、実際に於ては、良い意味に於ても悪い意味に於ても、イデオロギー教育であることを出でない。この点、所謂修身教育・公民教育・徳育・精神教育、其他に於て極めて顕著であるが、それだけではなく、一般的な所謂知育・職業教育・産業教育・技術教育、其他に於ても根本的な影響を有っている。支配的勢力が教育に於て採用するイデオロギーが、虚偽意識であった場合(そしてこれは今日極めて普通に存する場合である)、その教育が真理と原則的に全く無関係であることは不可避な必然なのである。