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のうそん

農村

宮本 百合子

「多喜二と百合子 七号~十三号」多喜二・百合子研究会、1954(昭和29)年12月~1955(昭和30)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 49,223 字 · 97 页

青空文庫

しゃぼんを一銭まけさせたと手柄顔に話す。

帰る時にミノルカが生んだのだと云う七面鳥の卵ほど大きい卵を二つくれた。東京ではとうてい見たくとも見られるものではない。大いそぎで勘定をすませたお繁婆は私のあとから追掛けて来て、

「御邪魔になりやすっぺ。

と云う。

疲れた様な足つきの婆さんに中央を歩かせて私はわきの草中を行く。

甚助の家へ今朝よったから昨日のことを話した。御詫びに行くと云って居たがほんとに行ったか、なんかと云う。

子供のことを一々そんなにとがめだて仕ずとも良い。私は何とも思って居ないんだからと云うと、

「何そんな事がありますぺ、人がねんごろに問うてやるに石投げるなんちゃ此上ねえ悪い事なんだっし。

腹を立てた様に太い声を出して云うのである。後生願いの良い婆さんだから私に、本願寺にお参りさせて呉れろと云う。案内して呉れと云うのか私の金で連れて行ってくれと云うのか分らない。

一つ二つ短かい距離を行く間に「あみださま」に関した話をして聞かせた。

あんまり御噺話めいて居るので笑いたい様な顔をすると、

「学問の御ありなさるお前様方にゃあ可笑しかんべえけど私達は有難がって居りますのさ。