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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
丘浅次郎『進化と人生(下)』。同一底本的分册已合并为一书。收入:自然界の虚偽、進化論と衛生、動物の私有財産、民種改善学の実際価値、我らの哲学。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 页
て、人種を良くしようという考えであった。これは西洋風の舞踏が奨励せられ、日本語の発音にも西洋人をまねるほどに、万事西洋を崇拝した心酔時代であったゆえで、その後はもはやこのようなことを論ずる人はなくなった。このたび唱えられる民種改善学も、人間を改良することを目的とするのであるが、昔の人種改良論とはまったく違うて、外国から良い人種を連れてきて雑種を造るのではなく、在来の人間の中から身体、精神ともに優良で、次代の国民を造るに最も適当なりと認められる人々だけに生殖せしめ、身体精神ともに劣等で、必ず劣等な子孫を遺すに相違ないと思われる人々には生殖をさせぬようにして、一代ごとに漸々人間の種族を改善してゆこうという考えに基づいたもので、一言で言えば、生物学上の理を人類社会に応用しようと企てるのである。十九世紀の後半における生物学研究の結果として、生物の進化ということが確実になって以来、人の飼養し、培養する動植物は、この理に従うて盛んに改良せられ、比較的短い年月の間にすでに驚くべき結果を得ている。中にも北米カリフォルニア州のバーバンクという人のごときは、種々の植物を人為的に改良して、刺のないシャボテンまでも造りだした。