轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うんめいろんしゃ

運命論者

国木田 独歩

「山比古 第十號」1903(明治36)年3月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,357 字 · 34 页

青空文庫

僕は其後三年間の生活を思うと、僕の此世に於ける真の生活は唯だ彼の学校時代だけであったのを知ります。

学生は皆な僕に親切でした。僕は心の自由を恢復し、悪運の手より脱れ、身の上の疑惑を懐くこと次第に薄くなり、沈欝の気象までが何時しか雪の融ける如く消えて、快濶な青年の気を帯びて来ました。

然るに十八の秋、突然東京の父から手紙が来て僕に上京を命じたのです。穏な僕の心は急に擾乱され、僕は殆んど父の真意を知るに苦しみ、返書を出して責めて今一年、卒業の日まで此儘に仕て置いて貰おうかと思いましたが、思い返して直ぐ上京しました。麹町の宅に着くや、父は一室に僕を喚んで、『早速だがお前と能く相談したいことが有るのだ。お前これから法律を学ぶ気はないかね。』

思いもかけぬ言葉です。僕は驚いて父の顔を見つめたきり容易に口を開くことが出来ない。

『実は手紙で詳しく言ってやろうかとも思ったが、廻りくどいから喚んだのだ。お前も卒業までと思ったろうし、又大学までとも志して居たろうけれど、人は一日も早く独立の生活を営む方が可えことはお前も知って居るだろう。それでお前これから直ぐ私立の法律学校に入るのじゃ。