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とかいのなかのことう

都会の中の孤島

坂口 安吾

「小説新潮 第七巻第四号」1953(昭和28)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,205 字 · 27 页

青空文庫

さすれば結婚の邪魔者と見てグズ弁を消すために右平がつけ狙っているというのは、右平の意志となる以前に、ミヤ子の意志からでたものでなければならない。

「ミヤ子にとっては、実はオレも右平も邪魔者なのだ。そして二人の邪魔者がたがいに殺し合って一方が殺され一方が罪人となって消え去ることを願っているのだろう。なぜなら、中井はもうじき学校を卒業する。他の二人の男が入要だった時期はもう過ぎ去ろうとしているのだ」

これで全てが氷解したとグズ弁は思った。そして、その時まではそれほど切実には思わなかったが、右平がグズ弁を殺すためにつけ狙っているというミヤ子の言葉は非常に重大であること、その危険が身にさしせまっていることを感じたのである。

なぜなら、それが右平の意志ではなくて、実はミヤ子の意志であるということは、右平が思いついた意志であるよりも、はるかに強力な実行力があることをグズ弁は理解せざるを得なかったからだ。

「ミヤ子は必ず右平にオレを殺させるだろう。そして右平を罪人にするだろう」

それはグズ弁が右平を殺すよりも可能性が強いからだ。右平はもともと人々に泥棒人殺しと思われるほどの奴で、力も強くケンカにもなれている。