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きんぞくにんげん

金属人間

海野 十三

「サイエンス」1947(昭和22)年12月~1949(昭和24)年2月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 78,616 字 · 157 页

青空文庫

わたしはあの事件いらいきょうまで、姿をみなさんの前に見せなかったのですから、そういううわさの出たことはしぜんです。悪くはとりません」

博士は、冷静な顔つきで、そういった。

「どうされたんですか、博士は、つまりあの爆発のときのことです」

「それはさっききみが掘りあてたとおり、第二研究室の床の下には、外へのがれる道がこしらえてあったので、いそいでそれへとびこんで、一命をまっとうしたのです」

「ああ、なるほど」

と蜂矢はうなずき、

「すると第二研究室の床のどこかに、その秘密の地下通路へ通ずる入口があいていたはずですが、それが爆破後、跡をいくら掘ってみても発見できなかったというのは、どういうわけでしょうか」

この質問は、蜂矢探偵ならずとも、この事件に関係した人々なら、誰でも知りたいことの第一であろう。

「それはかんたんなことです。わたしが先へ、その穴へとびこむ。するとそのあとで大爆発が起こり巨大なる圧力でもって、その穴をふさいでしまったんですな。おわかりでしょう」

「あッ、そうか」

蜂矢探偵は、思わず感歎の声を発した。そうなんだ。大爆発のときに、それ位の巨大な力が出ることは予想のできることだった。