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ぶくぶくながながひのめこぞう
鈴木三重吉童話集
鈴木 三重吉
鈴木三重吉『鈴木三重吉童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ぶくぶく長々火の目小僧、湖水の女、黄金鳥、大震火災記、岡の家、デイモンとピシアス、やどなし犬。
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 58,287 字 · 119 页
多くの人は火の中をくぐって来てのどがかわいて苦しくてたまらないので、きたないどぶの水をもかまわずぐいぐい飲んだと言います。上野ではしのばず池のあの泥くさりの水で粉ミルクをといて乳のみ児にのませた婦人さえありました。
火はとうとうよく二日一ぱいもえつづき、ところによっては三日にとび火で焼けはじめた部分もあります。官省、学校、病院、会社、銀行、大商店、寺院、劇場なぞ、焼失したすべてを数え上げれば大変です。中でも五〇万冊の本をすっかり焼いた帝国大学図書館以下、いろいろの官署や個人が二つとない貴重な文書なぞをすっかり焼いたのは何と言っても残念です。大学図書館の本は、すっかり灰になるまで三日間ももえつづけていました。
以上の外、火災をのがれた山の手や郊外の町の混雑もたいへんでした。家のくずれかたむいた人は地震のゆれかえしをおそれて、街上へ家財をもち出し、布や板で小屋がけをして寝たり、どのうちへも大てい一ぱい避難者が来て火事場におとらずごたごたする中で、一日二日の夜は、ばく弾をもった或暴徒がおそって来るとか、どこどこの囚人が何千人にげこんで来たというような、根もない流言によって、一部の人々は非常におびえさわぎました。