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ぶくぶくながながひのめこぞう

鈴木三重吉童話集

鈴木 三重吉

鈴木三重吉『鈴木三重吉童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ぶくぶく長々火の目小僧、湖水の女、黄金鳥、大震火災記、岡の家、デイモンとピシアス、やどなし犬。

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 58,287 字 · 119 页

青空文庫

ぶくぶく長々火の目小僧

一

これは昔も昔も大昔のお話です。そのじぶんは今とすっかりちがって、鼠でも靴をはいて歩いていました。そして猫を片はしから取って食べました。ろばも剣をつるしていばっていました。にわとりは、しじゅう犬をおっかけまわしていじめていました。

こんなに、何でもものがさかさまだったときのことですから、今から言えば、それこそ昔も昔も大昔の、そのまたずっとずっと昔のお話です。だから、いろんなおかしなことばかり出て来ます。しかし、けっしてうそではありません。

そのころ或国の王さまに、美しい王女がありました。その王女を世界中の王さまや王子が、だれもかれもお嫁にほしがって、入りかわりもらいに来ました。

しかし王女は、どんなりっぱな人のところから話があっても、厭だ、と言って、はねつけてしまいました。

世界中の王さまや王子たちは、それでもまだこりないで、なんども出かけて来ました。

王女は、うるさくてたまらないものですから、とうとうお父さまの王さまに向って、

「ではだれでも三晩の間、私をお部屋の外へ出さないように、寝ずの番をして見せる人がありましたら、その方のお嫁になりましょう。