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ぶくぶくながながひのめこぞう
鈴木三重吉童話集
鈴木 三重吉
鈴木三重吉『鈴木三重吉童話集』。同一底本的分册已合并为一书。收入:ぶくぶく長々火の目小僧、湖水の女、黄金鳥、大震火災記、岡の家、デイモンとピシアス、やどなし犬。
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 58,287 字 · 119 页
デイモンとピシアス
一
これは、二千年も、もっとまえに、希臘が地中海ですっかり幅を利かせていた時代のお話です。
そのころ、希臘人は、今のイタリヤのシシリイ島へ入り込んで、その東の海岸にシラキュースという町をつくっていました。そこでも市民たちは、やはりみんなの間からいくたりかの議政官というものを選んで、その人たちにすべての支配を任せていました。或とき、その議政官の一人にディオニシアスという大層な腕ききがいました。
ディオニシアスは、もとはずっと下級の役に使われていた人ですが、その持前の才能一つで、とうとう議政官の位地まで上ったのでした。この人のおかげでシラキュースは急にどんどんお金持になり、島中のほかの殖民地に比べて、一ばん勢力のある町になりました。
それらの殖民地の中には、アフリカのカーセイジ人が建てた町もいくつかありました。シラキュースはそのカーセイジ人たちと、いつもひどい仲たがいをしていました。ディオニシアスは遂にシラキュース人を率いて、それらのアフリカ人と大戦をしました。そして手ひどく打ち負してしまいました。
そんなわけで、ディオニシアスはシラキュース中で第一ばんの幅利きになりました。