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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

江戸川乱歩『鉄塔の怪人/海底の魔術師』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鉄塔の怪人、海底の魔術師。

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 页

青空文庫

でしょう。」

賢吉君のおとうさんは、しばらく考えていましたが、やがて、決心したようにいうのでした。

「それじゃ、ひとつ海底の冒険をやってみましょうか。さいわい、この汽船会社と保険会社の重役に友人がおりますし、沈没船ひきあげのサルベージ会社にも、したしい人がありますから、わたしが相談すれば、きっと承知してくれます。

じつは、わたしは、こういう冒険がだいすきなのですよ。」

それから、いろいろ、金塊ひきあげのことについて話しあっているところへ、電話がかかってきました。おとうさんが立っていって、受話器を耳にあてますと、なんだか、みょうな音が聞こえてきました。ジャ、ジャ、ジャ、ジャという鉄をこすりあわせているような、気味のわるい音です。電話の故障かと思いましたが、そうではありません。なにかいっているのです。

「ソコニ、アケチガイルダロ。ハナシタイコトガアル、ヨンデクレ。」

それは人間の声とは、思えないような、ぶきみな音でした。

「あなたは、だれですか。」

「アケチノ、トモダチダ、ハヤク、ヨンデクレ。」

しかたがないので、明智をよんで、受話器をわたしました。

「ぼくは明智だが、きみはどなたです。