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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
江戸川乱歩『鉄塔の怪人/海底の魔術師』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鉄塔の怪人、海底の魔術師。
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 页
鉄の人魚
そこで、おしまいには、ふたりの潜水夫が、海の底でまぼろしを見たのだろう、ということになってしまいました。
潜水夫たちは、
「あれがまぼろしであって、たまるものか。われわれは、そいつの姿をはっきり見たのだ。ふたりがそろって、まぼろしを見るなんてことがあるもんか。」
と、いいはりましたが、だれも信用してくれません。
ふたりの潜水夫は、それでは、おれたちが、もう一度もぐって、しらべてみるといって、沈没船の中を、くまなくさがしたのですが、二度と怪物に出あうことはできませんでした。
鉄の人魚
やはり、そのころ、潜水作業のおこなわれていた近くの海岸にある大戸村に、ふしぎなことがおこっていました。
大戸村は漁師ばかりのすんでいる、さびしい村でしたが、その村の漁師の子に、真田一郎という少年がおりました。
おとうさんは、発動機のついた漁船をもっていて、村いちばんの漁の名人でした。一郎君は近くの町の中学校の一年生で、ゆくすえは、おとうさんよりも、りっぱな漁師になって、遠洋漁業をやりたい希望でした。そのために、専門の学校へ入れてもらうやくそくが、ちゃんとできているのです。