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「かまとつち」こうじょうのリト・クルジョーク
「鎌と鎚」工場の文学研究会
宮本 百合子
「新潮」1931(昭和6)年5月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,587 字 · 12 页
電車は段々モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)市の中心をはずれた。
東南の終点で降りると、工場街だ。広場を前にして、三階コンクリート建の国営デパートメントの大きい硝子窓がある。
木橋がある。下は鉄道線路だ。子供が四五人、木橋の段々に腰かけて遊んでいる。そこをよけて、仕事から引上げて来る労働者、交代に行く労働者。人通りは絶えない。
木橋を境にして、九千人の従業員をもつモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)第一の金属工場「鎌と鎚」が、蜒々と煉瓦壁をのばしている。
「郵便」と書いた板の出ている小さい入口をわれわれは入って行った。ここに、鎌と鎚工場の工場新聞の発行所がある。そして、文学研究会の中心になっているのだ。
工場内へ通じる狭い柵の横に一人赤衛兵と、二三人の男がかたまっている。そこは一本の廊下だがその辺には工場委員会共産党青年ヤチェイカの札が見えるだけで、どこに新聞発行所があるかわからない。
自分は、柵のところに立ってる男に、「新聞発行所はどの室ですか、」と訊いた。
「つき当って、右に折れたところだよ」
「そっちへ行って見たが、ありませんよ」