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もん
門
宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页
曲んで位置を調えているところへ小六が出て来た。台所の方で御米が、
「誰? 兄さん?」と聞いた。宗助は、
「やあ、来ていたのか」と云いながら座敷へ上った。先刻郵便を出してから、神田を散歩して、電車を降りて家へ帰るまで、宗助の頭には小六の小の字も閃めかなかった。宗助は小六の顔を見た時、何となく悪い事でもしたようにきまりが好くなかった。
「御米、御米」と細君を台所から呼んで、
「小六が来たから、何か御馳走でもするが好い」と云いつけた。細君は、忙がしそうに、台所の障子を開け放したまま出て来て、座敷の入口に立っていたが、この分り切った注意を聞くや否や、
「ええ今直」と云ったなり、引き返そうとしたが、また戻って来て、
「その代り小六さん、憚り様。座敷の戸を閉てて、洋灯を点けてちょうだい。今私も清も手が放せないところだから」と依頼んだ。小六は簡単に、
「はあ」と云って立ち上がった。
勝手では清が物を刻む音がする。湯か水をざあと流しへ空ける音がする。「奥様これはどちらへ移します」と云う声がする。「姉さん、ランプの心を剪る鋏はどこにあるんですか」と云う小六の声がする。しゅうと湯が沸って七輪の火へかかった様子である。