轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

その時分の宗助の眼は、常に新らしい世界にばかり注がれていた。だから自然がひととおり四季の色を見せてしまったあとでは、再び去年の記憶を呼び戻すために、花や紅葉を迎える必要がなくなった。強く烈しい命に生きたと云う証券を飽くまで握りたかった彼には、活きた現在と、これから生れようとする未来が、当面の問題であったけれども、消えかかる過去は、夢同様に価の乏しい幻影に過ぎなかった。彼は多くの剥げかかった社と、寂果てた寺を見尽して、色の褪めた歴史の上に、黒い頭を振り向ける勇気を失いかけた。寝耄けた昔に徊するほど、彼の気分は枯れていなかったのである。

学年の終りに宗助と安井とは再会を約して手を分った。安井はひとまず郷里の福井へ帰って、それから横浜へ行くつもりだから、もしその時には手紙を出して通知をしよう、そうしてなるべくならいっしょの汽車で京都へ下ろう、もし時間が許すなら、興津あたりで泊って、清見寺や三保の松原や、久能山でも見ながら緩くり遊んで行こうと云った。宗助は大いによかろうと答えて、腹のなかではすでに安井の端書を手にする時の心持さえ予想した。

宗助が東京へ帰ったときは、父は固よりまだ丈夫であった。