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もん

門

夏目 漱石

宗助在秋日午后躺着发呆,和妻子有一搭没一搭聊天,平淡的日子下好像藏着说不出口的秘密。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 页

青空文庫

宗助は着流しのまま麦藁帽を手に持った友達の姿を久し振に眺めた時、夏休み前の彼の顔の上に、新らしい何物かがさらに付け加えられたような気がした。安井は黒い髪に油を塗って、目立つほど奇麗に頭を分けていた。そうして今床屋へ行って来たところだと言訳らしい事を云った。

その晩彼は宗助と一時間余りも雑談に耽った。彼の重々しい口の利き方、自分を憚かって、思い切れないような話の調子、「しかるに」と云う口癖、すべて平生の彼と異なる点はなかった。ただ彼はなぜ宗助より先へ横浜を立ったかを語らなかった。また途中どこで暇取ったため、宗助より後れて京都へ着いたかを判然告げなかった。しかし彼は三四日前ようやく京都へ着いた事だけを明かにした。そうして、夏休み前にいた下宿へはまだ帰らずにいると云った。

「それでどこに」と宗助が聞いたとき、彼は自分の今泊っている宿屋の名前を、宗助に教えた。それは三条辺の三流位の家であった。宗助はその名前を知っていた。

「どうして、そんな所へ這入ったのだ。当分そこにいるつもりなのかい」と宗助は重ねて聞いた。安井はただ少し都合があってとばかり答えたが、

「下宿生活はもうやめて、小さい家でも借りようかと思っている」