轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页
しかし考えてみれば、それは、まるで夏樹にいうような甘っちょろい言葉である。といって単刀直入に、浜子の事件をいい出すのもはばかられた。とはいえ、一言だけはいったのである。
「浜ちゃんが、どっかへいって帰らないんだがね――」
すると冬太郎はすなおにおどろき、
「ほんとう? どこへいったんだろう。」
まじめに心配する顔色をみて、安江はほっとした。ここにはまだけがれのない魂があると思った。それは進君とのやりとりに比べても、そう信じるよりほかなかった。さっき進君は、安江の姿をみただけでもううろたえていた。安江が、それこそ単刀直入に、
「進さん、へんなこと聞くようですけど、あんた、浜ちゃんとは何もなかったの。」
すると進君はまっかな顔をして、へどもどしながら、
「あの、いいえ。」
安江はつい、かさにかかったものいいをしてしまったかと気がつき、わざとやわらかく、
「ね、浜ちゃんのことで、何か気がついたことあったら、聞かしてくださいよ。わりあい、あんたには何でもいってたんじゃなかった?」
「…………」
「浜ちゃんが、うちを出たがってたのは知ってたでしょ。」
「あれは、僕が先にいい出したんじゃあないです。