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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页

青空文庫

」

「あら、それどういう意味。」

「…………」

「浜ちゃんと相談して、あんたも一しょに出るつもりだったってこと?」

「…………」

「それでも浜ちゃんと、何でもなかったの。」

「僕、浜ちゃんに誘惑されかかったんです。」

「へえ、それで?」

安江は自分の目がすわってくるのを感じた。

「浜ちゃんは、にんしんしています。」

進君はそれを、苦しそうに横をむいていう。その表情から真実をさぐり出そうとでもするように、安江は目をはなさず、

「しってますよ。」

「でも、それは、ぼくの、――ぼくの……」

「責任じゃないっていうのね。」

「そうです。」

「だれの責任でしょうね。」

「しりません。ただ、ぜったいに僕ではありませんから、誤解しないでください。」

「そう。じゃあ、全然、せいれんけっぱくだったのね。」

「…………」

「進さん!」

安江はきつい声で、

「あんた、浜ちゃんに対して、ほんとにせいれんけっぱく?」

「…………」

「わかったわ。何にもいわないことは百万言をいってることにもなるのよ。とにかくね、わたしは責任をもって浜ちゃんの将来を考えたいと思うの。この際、責任のない人はここから出ていってもらいたいのよ。