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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页
」
「いやだ、そんなこと。不潔だよ。」
「不潔? 不潔の張本人がお前だったらどうする。男女の行為の当然の結果として子供が生まれるのが不潔?」
「不潔ですよ。だって、ぼくたち、清潔なつきあいだけだもん。そんな話、いやだよ。」
冬太郎は憤然としてくちびるをとがらせた。
「ごめん。」
安江はすなおにあやまっておいてから、
「ね、これはお前にいうつもりではなかったんだがね、やっぱりいっとくよ。浜ちゃんのことなんだがね。」
それだけでもうさとったらしく、冬太郎は悲壮な顔をして、
「それで、浜ちゃん家出したの。」
「いや、もう今ごろはかんたんに結末がついてるだろうよ。お医者へいったんだから。ただ、それっきり帰らないから心配なのさ。浜ちゃんのことだから、自分で自分の新しい道をきり開くつもりだろうとは思うけどね。」
「ふーん。」
「ところでね、私がいいたいのは、この現実なんだよ。」
「…………」
「そりゃあ浜ちゃんて子はああいう娘だから、自分でおとし穴へはまったかもしれないよ。でもさ、いくら浜ちゃんだって、おとし穴と知っててはまりこむはずはないだろ。しかも結末だけは女にのしかかってくるんだからね。