轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ゆきをつくるはなし

雪を作る話

中谷 宇吉郎

「東京朝日新聞」1936(昭和11)年9月17日、18日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,931 字 · 6 页

青空文庫

十勝岳の中腹で見られる雪の結晶は、札幌などで知られる結晶とはまた一段の精緻さを見せているのであった。そしてその種類がまた実に多岐を極めていて、夢にも思い掛けなかったような不思議な形の結晶がいくらでも降って来るようなこともあった。

水晶の結晶のような六角の柱などは勿論のこと、北極探検の際初めて発見されたというピラミッド型のものも再三見られた。時にはこれらの角柱の両端に六華の花が咲いて鼓のような形になったもの、それが段々に重って昔の複葉飛行機のような形をしたものなどが全山を埋め尽くすようなことも稀ではなかった。こんな結晶を見暮していると、何時の間にか自然の神秘に圧倒されてしまって、こんな物を人工的に作ろうとする企てすら、何だか自然に対する冒のような気がして来るのであった。

第三年目の冬も惰性的に前の年の実験を繰返していた。その中にふと気が付いて、冷い銅板の面を上に逆さに置いて、その下に水を入れた器を置いて見た。水蒸気はその水面から蒸発して自然の対流で上方へ昇って銅板の面に凝結するのである。こうして見ると銅板の面からちらちらと白い粉が降り出した。顕微鏡で見ると、ちゃんと雪の結晶の片割れに似たものになっている。