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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
「新青年」1941(昭和16)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页
守備隊
誰も口にこそ出さないが、省長の龍雲閣下だって※々族の出身だし、中国の英傑馬占山将軍だって字も読めない人じゃアないか……俺は学問こそないが、機転の利くことでも、腕力でも射撃でも、隊中に恐しい奴は居ないのだ……雲南府の黄泥巷に生れた俺が、今に何をするか見ているがいい”
孫伍長は、車窓に走る鋭い岩山や、奇流の泡立つ深い嶮峡を睨みながら、凝っとそんなことを考えていた。
守備隊
太陽は沈みかけていた。
小さな汽車が、喘ぎながらやっと山の頂から、また数哩の谷間へ下りた所に、鉱山街、箇旧が横たわっている。
孫伍長は、軽機関銃を持った一分隊を率いて、この街の上にのしかかる禿山の裾の褐色の、丘を登って行った。
兵は敵前のように緊張していた。
吉報を受けた筈の沈団長は、あれから十日もたたぬうちに、何故か、突然、箇旧守備隊長に転補され、腹心の僅かな将校と兵を伴なって、前線から、この街へ着任したのだ。
が、守備隊の兵の中には、この更迭に不満で不穏な態度を見せる者があった。何処から聞いたか、新任の沈大佐が苛烈な男だという噂に怯えたのだ。
この地方の錫鉱山は半官半民のものを筆頭に七百ヵ所――孫伍長はその中でも、激しい反感を持っているという鉱区の守備交替の役を買って出たのだ。