轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

「新青年」1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页

青空文庫

保身の道

「そうか、誰も知らないんだな」

孫軍曹は、弟や母の安否を、また新しく思い出しながら力なく立ち上ると、残りの銀貨を投げ出した。

「約束だ、何かの足しにしろ。それから他の怪我人は小屋へ運んで置け。上等兵に手当をして貰ってやるからな」

そう云うと憂愁に沈んだ顔をして帰って行った。

保身の道

「こうして鉱山を降りて来ると、生きかえる様な気がするな」

守備隊長に呼ばれて、使の兵と一緒に出た孫軍曹は、箇旧の街に近い丘を下りながら云った。

「花は咲いているし、樹は青いし」

この高山地帯に四季はない。何時も四、五月頃の気候で、ひどく高い山の上か、低い谷間でなければ、そう暑くも寒くもないのだ。

丘の中腹の塀に囲まれた、兵営の様な大邸宅の中庭にも、花壇の花が咲き誇っている。

「鉱山はたまらないぞ、あの子供の奴隷を見ているのは……」

「軍曹殿、そんな弱気では駄目ですね。あの邸宅をご覧なさい。みんなあの子供達の働きで贅沢をしているんですぜ……雲南ドルで年収二、三百万ドル、中には百人も武装した護衛を連れて歩く奴がいるんですからな」

「ふーん、君は箇旧には古いのかね」

「もう四年になりますがね、前の守備隊長の時には、徴発金を納めない鉱山主の所へ、よく懲罰に押しかけたもんでさ」