轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

「新青年」1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页

青空文庫

春生は、泣きじゃくりをやめて、何か云いかけたが、又わッと泣き出して、兄の身体を力まかせにゆすぶった。

隣の年寄を初め居合せた客達は、この有様に息をのんで、ひっそりとしてしまった。

孫は、弟の必死にしがみつく力に椅子の倒れかかるのをおさえて足をふん張っていたが、頬をこすりあげて云った。

「春生、男のくせに何時までも泣く奴があるかッ。お母さんはどうした」

「兄さんだって……兄さんだって、泣いてるじゃアないか……お母さんは、どっかへ行った。二人で一緒に居たら、二人とも何も食べられなかったんだ……家はなくなるし、寝るところもないのでお母さんは病気になるし……」

孫は歯をくいしばって頷くのがようやくだった。

「…………」

「あたいは劉さんていう痘痕のおやじが、鉱山へ働きに行けば、お母さんにもお金をやれるし、子供でも戦争の役に立つんだと云ったから路三や、万里なんかと一緒に来たんだ」

「お母さんとはそれっきりなのか、それとも何処に居るか知っているのか」

春生は、寂しく首を振って、兄の胸をちからまかせに掴んだ。

「兄さん、それっきりなの。あたい達は屋根のない火車に乗って、山の天辺や、谷底や、猿の沢山いる所を通って、随分遠くまでやって来たんだ……騙されたんだ……騙されたんだ……兄さん、口惜しい、みんなも口惜しがっているんだ」