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うんなんしゅびへい

雲南守備兵

木村 荘十

「新青年」1941(昭和16)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,859 字 · 76 页

青空文庫

「大体、龍雲主席も中央軍の雲南入りを承認して以来、頼りないです。今度来た守備隊長などに勝手な真似をさせる法はない。もしあの若僧が中央軍の廻し者なら、吾々は考えなければならない。洪将軍、どうです」

洪将軍は、ニヤニヤ笑っていた。それは、あんたの云わんとすることは分っている。しかし、奴を片づけるのなら、それを今口に出しては拙いという意味を伝えようとしているのだ。そして彼は、何気なく呉昌の方を見て、眼くばせした。

「いや、技術長のお説は一々尤もですよ」

呉昌は、洪将軍の意をうけて、大袈裟な身振りをしながらデューラン氏に近づいた。

「律氏もそれはよく承知しているんです……ただこの少爺は書斎の理想家ですからな……時に、どうです皆さん、爆撃でもされては、もう悠りする晩はないでしょうから、今夜は一つ雲鶴楼へでも行って、蜜蜂のバタ揚げに、焼鴨の胆でもやりながら、牌を闘わしては……」

「よかろう」

洪将軍が真先に立ち上って、

「では、邸から芸娘にわしのこれを届けさせて貰おう。シンガポールから届いた極上のがあるんだ。あれをやったら、ここのは吸えんよ」

と、妙な手附をして阿片を吸う真似をした。