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あおいたまとぎんいろのふえ
青い玉と銀色のふえ
小川 未明
「たのしい三年生」1957(昭和32)年1月
N4 · 入门 · 新字新假名 · 2,190 字 · 5 页
北のさびしい海のほとりに、なみ子の家はありました。ある年、まずしい漁師であったおとうさんがふとした病気で死ぬと、つづいておかあさんも、そのあとを追うようにして、なくなってしまいました。かねて、びんぼうな暮らしでしたから、むすめのなみ子にのこされたものは、ただ青い玉と、銀色のふえだけでありました。
青い玉は、ずうっと昔、先祖のだれかが、この海べのすなの中からほり出して、それが代々家につたわったのだということでありました。
なにかねがい事があるとき、この青い玉にむかって、真心をこめておねがいすると、その心が神さまに通じてかなえられるというので、おかあさんはこの青い玉を、とてもだいじにしていました。
玉はつやつやしていて、深い海の色のように青黒く、どこまで深いのか、底が知れぬように、じっと見つめていると、引き入れられるような気がしました。
そして、真心をこめておいのりをすると、青い玉の表に、海の上をとびさる雲のように、いろいろなことが絵になってうかんできて、ゆくすえのことをおしえてくれるのでした。
また、あるときは、青い玉がまっかにほのおのようになって見えたり、玉にひびがはいったりして、不安な気持ちをいだかせることもありました。