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あおいふろしきづつみ

青い風呂敷包

大倉 燁子

「キング 一三巻四号」1937(昭和12)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,612 字 · 28 页

青空文庫

管理人を先に立てて一同は彼女の部屋へ入った。なるほど青い風呂敷づつみは室の真中に放り出されてある。

「江川さんの荷物じゃないんですか?」

初子は烈しく首を振って、

「私のなもんですか。――私のいない留守の間に、誰かが戸棚の中に納ったんですよ、早く――、どなたか、ちょいと、中を覗いてごらんなさい」

言わるるままに管理人が真先に破れ目に眼を当てたが、

「アッ!」と仰天し、

「人間が――、人間が入ってる。やッ、これや大変だ!」

その声に若い女連は逃げ出した。怖いもの見度さで居残ったものは交る交る風呂敷の中を覗いては顔色を変えた。

「頭はあるが、――顔が見えないな」

「男か、女か、――断髪だ」

「ウム、素敵な美人らしいぞ!」

「開けて見ようじゃないか」

荷物を囲んでガヤガヤ騒いでいるところへ、二十七八の青年が入って来て、一同を制し、

「駄目だ、駄目だ、触っちゃいけない。警官が来るまで、手をつけちゃいけないんだから――」と云った。見るとそれは止宿人の一人で、私立探偵として評判のいい山本桂一という初子のパトロンであった。彼は旅行先から今帰ったばかり、玄関を上るとこの騒ぎだ。