轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かぜにのってくるコロポックル

風に乗って来るコロポックル

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,458 字 · 39 页

青空文庫

こういう心持を持っているイレンカトムは、豊に就て、真面目に苦しみ、案じている、その苦痛、その愛情を謡わずにはいられない心持をも、また持っていた。

唯(た)った一人で、広い耕地に働いているようなとき……。

四辺(あたり)には、何の音もしない。ヒッソリとしたうちに、サクッサクッと土を掘り返す音、微かに泥の崩れる音、鍬の調子に連れて出る息の音等が、動くに従って彼の体の囲りに小さく響くばかりである。

静かなもんじゃなあ、と彼は思う。

そして、何とはなし、物懐かしいような心持になって首をあげ、あちらこちらを見廻しながら額を拭く。

拭きながら見上げると、高い高い空は、ちょうど真中頃に飾物のように美くしい太陽(チュプ)を転しながら、まるで瑠璃(るり)色の硝子(ビンドロ)のように澄んでいる。眼をシパシパさせながら、なお見ると、ようやく眼の届くような処に鳶(とんび)が三羽飛んでいる。

紙か何かで拵えた玩具(おもちゃ)の鳶を、天の奥に住んでいる神様の子供が振り廻してでもいるように、クールリクルリと舞っている。

際どい処で擦違ったり、追い越したりしながら、円(まあ)るくまあるく飛んでいる。