轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふうりゅう
風流
「新潮 第四八巻第十三号」1951(昭和26)年12月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 9,419 字 · 19 页
「これに比べると、原子バクダンのキノコ雲の方がたしかに美しいや。むしろ、明るいかも知れん」
こう呟いた私が悪魔なのではなかろう。日本は私にとってもフルサトなのだ。私は泣きぬれていたと云っても過言ではない。
私は無数の原子バクダンが祖国の頭上にバクハツするのを考える。着のみ着のまま生き残った人々が穴居生活をはじめる。ホラアナの中にカストリ銀座もできる。
しかし、ボロボロのシャツ一枚で穴から首をだした一人は、自分の穴の出入口の横ッチョへ植えつけた朝顔の大輪が咲いたのを見てニッコリする。そして考えこむ。顔に深くえぐりこまれた生活のシワが一そう物悲しく黒ずんだような顔に見えるが、彼は生活の苦労を忘れたと思うことができるのである。
また、同じように垢だらけのポロシャツ一枚の若い男が、朝くらいうちから沼の辺にたたずんでいる。やや長い時間の後に水中に音がして蓮の花がひらく。彼は目を見はる。満足したかしないか顔だけでは分らないが、やがて彼が元気よく体操し、林間に鍋をかけて焚火をバタバタ扇ぎはじめたのを見れば、彼の今日の一日が相当にキゲンよく始まろうとしているらしいと想像することはできる。