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ふうちそう
風知草
宮本 百合子
「文芸春秋」1946(昭和21)年9~11月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 44,107 字 · 88 页
自分で自分を解決してゆこうと欲している。そういう熱意があふれ感じられた。
ひろ子は、さっき建物のそとで待っているときにうけたと同じような感動を、一座の光景から感じた。婦人の集会でこれまでただ一度もこんなに公然と、しかも新しい社会の建設にともなう婦人の将来を話し合う場所はなかった。
説明が終ってから、婦人の側からの発言が求められた。一座をみわたせば、そこに坐っているほどの女のひとたちは、みんな十分会合に馴れていると思えた。落付きのいい坐り工合が、それを語っていた。しかし、自分から発言する人はいなかった。そこに、すべての婦人が苦しく、ちりぢりばらばらにさせられて凌いで来た十数年の月日がてりかえされた。中国地方から来ていた一人のひとが、その地方の婦人の事情を報告した。ひろ子が名ざされて、一九三二年から以後の婦人の生活や文化の状況を短くまとめて話した。居合わせている婦人たちは、ひろ子が知っているよりもっと細部についてわかっている。けれども、十八年、監獄におかれた人は、それについて知っていて知っていないだろう。ひろ子は、そのことをことわって簡単に話した。
段々座がくつろいで、いくつもの声が物を云いはじめた。