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あめチョコのてんし
飴チョコの天使
小川 未明
「赤い鳥」1923(大正12)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,597 字 · 10 页
村に入ると、木立の上に、小鳥がチュン、チュンといい声を出して、枝から、枝へと飛んではさえずっていました。子供らの遊んでいる声が聞こえました。そのうちに車は、ガタリといって止まりました。
このとき、飴チョコの天使は、村へきたのだと思いました。やがて箱車のふたが開いて、男ははたして飴チョコを取り出して、村の小さな駄菓子屋の店頭に置きました。また、ほかにもいろいろのお菓子を並べたのです。
駄菓子屋のおかみさんは、飴チョコを手に取りあげながら、
「これは、みんな十銭の飴チョコなんだね。五銭のがあったら、そちらをおくんなさい。この辺りでは、十銭のなんか、なかなか売れっこはないから。」
といいました。
「十銭のばかりなんですがね。そんなら、三つ四つ置いてゆきましょうか。」と、車を引いてきた若い男はいいました。
「そんなら、三つばかり置いていってください。」と、おかみさんはいいました。
飴チョコは、三つだけ、この店に置かれることとなりました。おかみさんは、三つの飴チョコを大きなガラスのびんの中にいれて、それを外から見えるようなところに飾っておきました。
若い男は、車を引いて帰ってゆきました。