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がいこつとうのだいぼうけん

骸骨島の大冒険

山本 周五郎

「少年少女譚海」1930(昭和5)年10月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,922 字 · 35 页

青空文庫

一人があまり上手でない日本語で云った。龍介は頷いて静かに室内を見まわした。

それから五分も経ったかと思うころ、隔の扉があいて、白髪の老紳士が部屋へあらわれた。

「メトラス博士です」先の外国人が龍介にそう告げた。龍介は椅子をたって挨拶した。メトラス博士は、らんらんと輝く鋭い眸で、じっと龍介を見た。

龍介は博士の眼を見て思わずぞっと身顫した。それはまるで人殺しをしてきた男のような、物凄い眼だった。

「貴方、春田さん、ありますか」博士は急に顔色を和げて、椅子にかけながら猫撫で声で云った。

「僕、春田龍介です」

龍介は大声で答えた。

「私、たいへん、貴方を、偉い思います。どうぞ、この後とも、探偵、たくさんして下さい。私、それ、お頼みします、よろしいね?」

博士はお世辞らしくそんなことを云った。龍介はむっつりして頷いたばかりだった。

「何もありませんが、どぞ召上って下さい」

博士はそういって食事を勧めた。龍介は勧められるままに、博士たちと共に小刀を取りあげた。

食事の間皆は黙っていた。

さて食事がすむと挨拶して博士は立上った。そして傍の男になにか命令すると静かに元の扉から次の間へ去った。