轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おに
鬼
江戸川 乱歩
「キング」大日本雄弁会講談社、1931(昭和6)年11月、1932(昭和7)年1月~2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 30,138 字 · 60 页
アリバイ
「鶴子さんに違いないわ。帯だって見覚があるし、そこに落ちている石の入ったヘヤピンだって、鶴子さんの外に持っているものありゃしないわ」
と断言した。
アリバイ
お花の証言で、その惨死体が豪農山北家のお嬢さんと分ったので、すぐさま山北家へ急使が飛ぶ、駐在所へ自転車が走る、警察電話がけたたましく鳴り響く、家々からは、緊張した表情の人々が現場へ、現場へと駈け出す、暫くして係官を満載した警察自動車が本署から到着するという、物々しい騒ぎとなった。
綿密な現場調査が終り、解剖の為に死体がN市の病院へ運び去られると、関係者の取調べを行う為に、甚だ変則ながら、臨機の処置として村の小学校の応接室が借り入れられ、そこへ、鶴子の両親の山北夫婦、同家の傭人、発見者の大宅、殿村、仁兵衛爺さん、娘のお花などが次々に呼入れられた。
取調べには可成の時間を費したけれど、被害者鶴子の母親が提出した一通の封書の外には、別段これという手掛りもなかった。
「娘の机の抽斗の手紙の中に、こんなものがございました。今そこへ入れたばかりという風に、手紙類の一番上にのって居りましたから、きっとあれがうちを出ます直ぐ前に受取ったものに違いございません。