轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

まぞう

魔像

林 不忘

新版大岡政談

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 页

青空文庫

そしてまた、この帯屋小路から、茨右近と知らずのお絃がのこのこ出て行くが早いか、たいていの出入りが、二人を頼んだ方が勝ちときまっていたもので――さてこそ、商売として立派に立っていくわけ。

こういう喧嘩渡世。

観化流の剣豪茨右近も、見たところは、神尾喬之助と同じ背恰好の、ほっそりした優おとこである。それが、意気な姐御の知らずのお絃と、こうして町家ずまいをしているのだから、帯屋小路の家へ来ていると、紅のついたる火吹き竹……新世帯めかして、水入らずである。

長火鉢のむこうに、芸者屋に生獲りになった兄さんのように、荒い丹前か何か引っかけて、女みたいな顔でやに下っているのが、これぞ、江戸に聞えた喧嘩の専門家、観化流皆伝の達剣、茨右近だ。

が、そうは見えない。芝居が休みで、女形が自宅にいるようだ。海苔か何か焙りながら、一本つけている。

「なあ、お絃、久しく暴風つづきだな。きょうあたり、大きな喧嘩を持ちこんで来そうな気がするのだが――おれはナ、どこぞに喧嘩のある時は、すぐわかるんだ。腕がピクピクしやあがって、おや、これあ来るぞと思っていると、必ず来る」

呑気なことを言っている。