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かまをきずいてしりえたこと

魯山人陶説

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窯を築いて知り得たこと、瀬戸・美濃瀬戸発掘雑感、魂を刳る美、陶芸家を志す者のために、なぜ作陶を志したか、日本のやきもの、私の作陶体験は先人をかく観る、私の陶器製作について、愛陶語録、河井寛次郎近作展の感想、河井寛次郎氏の個展を観る、陶器個展に観る各作家の味、掘出しは病気の元。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,780 字 · 98 页

青空文庫

窯を築いて知り得たこと

もしそれ技術的の方面、製作上の道程などを子細に考えるならば、それは殆ど数知れぬまでに未知の世界を知ったと言うべきである。

しかし、左様なことは余りにも専門的に渉る。で、ここで一般的の話として持出すことはむしろ控えるが至当であるかも知れない。ゆえにそれらは略して、その他の所感を述べることにする。

個人作家の権威――先ず第一に自作と銘を打って出す個人作品の権威についてであるが、それは次のような条件を具えなければその資格はないと思う。先ず、胎土の仕事から、最後の焼上げを了えて完器となるまでの仕事、例えば轆轤の仕事、絵付けの仕事、彫刻を施す仕事、釉薬を施す仕事、窯入れの仕事、窯の火加減を見る仕事、これでよいとして火を止める最後の決断、それまでを一人で成し果すのでなくば、これを自作とは言い難いということを、私はしかと知り、且つ信ずるに至ったのであった。

世上見る所、よく人を傭い、窯を築き、以て職工に自己好みなるものを作らせ、それを以て得たりとするむきもあるが、かくの如くして出来上がったものは、あわれにも密かに自己の好みなるもの、思いつきなるものが混入していると言うに過ぎぬ。