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かまをきずいてしりえたこと
魯山人陶説
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人陶説』。同一底本的分册已合并为一书。收入:窯を築いて知り得たこと、瀬戸・美濃瀬戸発掘雑感、魂を刳る美、陶芸家を志す者のために、なぜ作陶を志したか、日本のやきもの、私の作陶体験は先人をかく観る、私の陶器製作について、愛陶語録、河井寛次郎近作展の感想、河井寛次郎氏の個展を観る、陶器個展に観る各作家の味、掘出しは病気の元。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 46,780 字 · 98 页
掘出しは病気の元
古美術界では、とかく掘出しが流行する。なんとか安く買って高く売りつけ、あわよくば千金、万金を一挙にせしめようという悪い傾向がある。
掘出しというそのことに熱中してはいけない。ものそのものの芸術味に興味をもつことはよいが、利欲のための掘出しは既に不純なものがあって、身心の上にも害毒を流すものである。これを名付けて俗欲という。俗欲に耽ることは大いに警戒すべきである。
この掘出し主義は、遂に人の持っているもの、愛玩しているものでも欲しくなり、これをなんとかして取り出すことに興味をもつようになる。そこには色々な無理も生じてくるのである。
それよりも、世間並の相場で、堂々と物を買うという方が、どれだけよいか知れない。これは確かに身心のためにもよい。健康を欲する人は、この態度を失してはいけないと思う。
掘出しにアクセクせず、縁あれば来り、縁なくば去って行くと思えば、身心の疲労はない。従って健康上いいわけである。たとえば、道具を見ていて、値段を聞かぬ前にそれを賞めると高くするとか、なんとかいう気苦労がない。そうすればしめたものである。実を言うと、十年位前までは、わたしもそうした掘出しに興味を覚えていたが今はもう昔語りである。