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あへんをのむびしょうねん

鴉片を喫む美少年

国枝 史郎

「オール読物」1931(昭和6)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,061 字 · 21 页

青空文庫

こんなことは青幇に嘱している、僕という人間には普通のことだし、又、紅幇に嘱している、宋思芳にとっても茶飯事なのだからね。

今日も例の鴉片窟「金華酔楼」で恋人同士として、僕は彼女――彼と云ってもいい。彼女は今日も男装であり、男装の方が似合うのだから。――その宋思芳と逢って来た。鴉片を喫って恍惚として、無我の境地で抱擁し合う、この極度の快感は、日本にいる誰も知らないだろうよ。

だが彼は――いやいや彼女は……そうだやっぱり僕としては、彼女と云った方がいいようだ。で、彼女は、何者なのか? 事実彼女はその昔は、良家の娘だったということだ。が、今はこの国における、二つの大きな秘密結社――殺人、人買い、掠奪、密輸入、あらゆる悪行をやりながら、不断の貧民の味方として、かつ貧民の防禦団体として、根本においては祖国愛主義の、青幇、紅幇という秘密結社の、その紅幇に嘱している、女班の利者の一人なのだ。

そうして僕は青幇会員で、この会員であるがために、生活することが出来ているのだよ。

今日彼女は僕に云ったっけ。――

「妾、グレーとエリオットとの二人へ、女装をしたり男装をしたりして、自由に体を任かせたのも、紅幇の頭から命ぜられたのではなく、自分から進んでやったのよ。