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ヒューマン ロスト

HUMAN LOST

太宰 治

「新潮」1937(昭和12)年4月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,769 字 · 24 页

青空文庫

羞恥深き、いまだ膚やわらかき赤子なれば。獅子を真似びて三日目の朝、崖の下に蹴落すもよし。崖の下の、蒲団わするな。勘当と言って投げ出す銀煙管。「は、は。この子は、なかなか、おしゃまだね。」

知識人のプライドをいたわれ! 生き、死に、すべて、プライドの故、と断じ去りて、よし。職工を見よ、農家の夕食の様を覗け! 着々、陽気を取り戻した。ひとり、くらきは、一万円費って大学を出た、きみら、痩せたる知識人のみ!

くたびれたら寝ころべ!

悲しかったら、うどんかけ一杯と試合はじめよ。

私は君を一度あざむきしに、君は、私を千度あざむいていた。私は、「嘘吐き」と呼ばれ、君は、「苦労人。」と呼ばれた。「うんとひどい嘘、たくさん吐くほど、嘘つきでなくなるらしいのね?」

十二、三歳の少女の話を、まじめに聞ける人、ひとりまえの男というべし。

その余は、おのれの欲するがまにまに行え。

二十八日。

「現代の英雄について。」

ヴェルレエヌ的なるものと、ランボオ的なるもの。

スウィートピイは、蘇鉄の真似をしたがる。鉄のサラリイマンを思う。片方は糸で修繕した鉄ぶちの眼がねをかけ、スナップ三つあまくなった革のカバンを膝に乗せ、電車で、多少の猫背つかって、二日すらない顎の下のひげを手さぐり雨の巷を、ぼんやり見ている。