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レジグナツィオーンのせつ
Resignation の説
1909(明治42)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,116 字 · 5 页
そしてそれは批評家の嫌う石田少介流とかの、何でもじいっと堪えているなんぞと云うのではありません。本当に平気なのです。
私の考では私は私で、自分の気に入った事を自分の勝手にしているのです。それで気が済んでいるのです。人の上座に据えられたって困りもしないが、下座に据えられたって困りもしません。
こう云う心持は愚痴とか厭味とか云う詞の概念とは大へんに違っていると信じています。いつか私は西洋にある詞で、日本に無い詞がある、随ってそういう概念があちらにあって、こちらに無いと云うような事を話した事がありました。縦令両方にその詞はあってもそれが向うでは日常使われているのに、こちらでは使われていないという関係もあるのです。これは確に思想の貧弱な徴候だろうと思うのです。
批評壇が、時を得ていない人は、時を得ている人に対してきっと不平を懐いていて、そんな人の云うことは、厭味、愚痴の外にないように思うのは、批評家の思想の貧弱ではあるまいかと思うのです。
私の心持を何という詞で言いあらわしたら好いかと云うと、resignation だと云って宜しいようです。私は文芸ばかりでは無い。