轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
Sふじんへのてがみ
S夫人への手紙
岸田 国士
「時事新報」1948(昭和23)年4月1、2、3日、5月3、4、5日、6月18、19、20日、7月12、13、14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,921 字 · 30 页
ルネ君やエレーヌちやんがもうすこし大きくなられたら、あなたはきつと私がこの手紙に籠めた真意を察してくださるに違いありません。
ところで、このへんでちよつと話題をかえましよう。政府はいよいよこんど「国語研究所」という機関をつくることに決めたようです。最近の国語問題について、いつかあなたともお話をしたことがありました。せつかく手をつけはじめたものですから、飽くまで慎重に、効果的に事を進めてほしいと思いますが、「研究所」の設置という案は、どこから出たにしても、まず穏当で、筋の通つたものです。
たゞ問題は、その運営にある。いつの場合もそうですが、名実相伴わぬのが官庁の仕事であり、その原因がどこにあるか。これまた、衆目一致するところです。私はこゝであなたにそれを申しあげる必要はないと思う。たゞ「研究所」という名前に関連して、私のかねて考えていることをお話してみたくなりました。
あなたが日頃もつとも苦労をしておいでになる現在の日本の混乱した生活様式の問題は、あなたとはまた別な意味あいでおそろしくそのために神経を浪費しているわれ/\の立場からも、なんとか真剣に考えなければならぬのですが、これはもう、個人生活の工夫や努力だけでは追いつかぬところに問題の鍵があるように思われます。