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Sふじんへのてがみ
S夫人への手紙
岸田 国士
「時事新報」1948(昭和23)年4月1、2、3日、5月3、4、5日、6月18、19、20日、7月12、13、14日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,921 字 · 30 页
三
握手や接吻が日本の風土にそのまま容れられるかどうか、婦人に座席を譲ることが果して日本男子の面目にかゝわるかどうかなども、そこでとくと主観を交えずに審議してもらいたいものです。
私は、この研究機関が、実は、権威ある新聞各社の合同発議によつて速かに実現の機運を促されることは、なんとしても一番魅力のある行き方だと夢想している次第です。
三
前回の手紙で、小生が将来の日本人の生活様式の問題にふれたのに対し、たいへん面白いというあなたのお返事が、その問題についてすこし具体的に小生の考えをきいていたゞく気をおこさせました。
実のところ、われわれは、衣食住をふくむ日常生活のことなどは、主婦と名のつく女性に委せておけばよい、という風に教えられて来ています。
従つて、男性はもちろん、主婦の仕事にあまり興味をもたず、それ以外の活動に専念している女性たちは、経済的に楽か苦しいかというそれぞれの立場から、要するに自分の好みに一応かなえばそれで満足するという至極のんきな態度でこれを処理しているように見うけられます。
それなら、主婦たる女性たちはどうかというと、現在の困難な経済事情に縛られながら、なんとかして、「昔のような」