轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

“のうひつジム”

“能筆ジム”

坂口 安吾

「財政 第一六巻第三号」1951(昭和26)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,488 字 · 9 页

青空文庫

ニンゲルのニセ札造りとしての成功は、実に彼の画家としての才能と、プロシャ人特有の万全を期する性格のおかげであった。彼はどんなにニセ札を造る必要に心のせくのを感じても、悠然とかまえて、その当時政府発行の紙幣に使用されている紙とほとんど同じ程度の厚さと強度を持ったものを選んだ。そうしてこの紙を当時の大型の札の大きさに正確に裁断して、それが終ると、この紙をコーヒーの薄い溶液のなかで処理して、年代をつけた。

その紙がまだ濡れている間に、(だからと云って滴くのたれているようではこまるのだが)、その一枚をとって、ワクのなかに四十五度にはめられた透明な硝子の上の本物の札の上におくのである。このワクにはめられた硝子は太陽の光が明るく通るように、窓にくっつけておかれる。そこで彼は、本物からのスカシ画を利用して、先のシャープな鉛筆で着実にトレースをはじめるのだ。そうして表が出来上ると、それをひっくり返して、他の反面へトレースを続けてゆく。

大体、一どに半ダースから一ダースのニセ札を鉛筆でトレースし終ると、次にその鉛筆のトレースの上を、紙の乾くのを待って、インクでトレースしはじめる。